リアルな職業体験を届けたい
藤好つむぎ / Tsumugi Fujiyoshi
京都生まれ。転職を何度も経験。住んでいる場所も転々。横浜に引っ越しすぐ3.11を経験。3.11のチャリティイベントに参加することを通して地域に根付く。
小学生がお店を開く、子ども店長マーケットを開催し、その後チッチェーノ・チッタへとつながっていく。
(2020年11月時点)
なぜチッチェーノ・チッタを開催するのか?
飲食店で中学生の職業体験の受け入れをしていたのですが、その日限りのゲストになってしまい、何が伝わったかなぁ?といつも違和感を覚えていました。私自身、商売をして学校では教えてくれないことを学ぶことがたくさんありました。
また、ちまたには○○体験があふれていて、やった気になってしまうことが多い気がします。子どもたちにはぜひリアルな、職業体験をしてほしいです。
いろんな大人とたくさん関わってほしい
青葉区に越して来たのは、震災の1年前でした。震災後は地域のコミュニティが活発になっていたこともあり、一気に地域に根付くことができました。近所の方が子どものことを気にかけてくださって、「あそこで遊んでたよ!」だったり、おじさんがのこぎりの使い方を教えてくれたり、地域の方には本当に助けられました。自分の過去の体験から、親以外の大人とのかかわりは大切だと感じていて、自分以外の大人とのかかわりがあるのは、とてもありがたかったです。
親から言われると素直に聞けないことも、他の大人に言われると素直に聞けることってありますよね(笑)。だからこそ、いろんな大人と積極的に関わってほしいなと思います。
子どもの個性を伸ばすお手伝い
私自身、双子の母として子育てをしてて早くに気づいたことは、親の育て方で、子どもの個性は決まらないということです。同じときに同じものを食べ、同じように育てても、同じようには育たない。子どもが幼いときはどうしても、子どもの性格は親のせいなのではないかと感じてしまうこともあるかもしれませんが、親のせいではなく、その子の個性なのだということを、早く気づけたことで、子育てが楽になりました。それに気づけたことで、この子たちが持っている個性をこの子たちがどう伸ばしていくのか、見守るスタンスをとるようにしています。
子どもたちが街を作るってどういうこと?
チッチェーノ・チッタでは、子どもたち自身が街を作ります。子どもたちに模造紙をつかって、自由に街を表現してもらうと、「駅は真ん中で」「駅の周りにコンビニがあったほうが便利だよね~」「市役所も駅の近くだと便利だね」というように子どもたちがどんどん街を作っていきます。
子どもたちには、子ども店長としてお店を開いてもらいますが、子どもたちの中には商売が苦手な子ももちろんいます。そんな子たちは、自分でできることを考え、駐輪場の設計をしたり、自分の得意分野を生かして、街づくりに参加をしてくれます。
十人十色の子どもたちの姿をみるのが、本当におもしろいです。
リアルさを追求する理由
例えば、小学1年生にも原価計算をさせて想像をしてもらいます。すると、子どもたちのできる範囲で、子どもなりに考えてきます。大人が思っているよりも、子どもたちってできるんですよ。隣の店が売れたのが悔しかったり、いろいろな差が見えてきたり。両替所の隣のほうが売れる!とわかれば、「店の位置を変えてくれ」だとか。肌身で、商売を感じることができます。
ごっこ遊びでは体験できない、親と学校では教えることができない体験をすることができます。
子どもも大人も関係ない!
チッチェーノ・チッタを開催して、思ったことは対象は子どもだけではないということです。
当初子どもたちが活動していく中でまわりも影響を受けてほしいな、くらいだったのですが、実際はそうではなく、ワクワクすることには、大人も子どもも関係はないと感じました。大人が持ってしまっている固定概念を、子どもたちやほかの職業の方がいい意味で壊してくれます。
新しい発想が、入ることでそこからどんどん発想が広がって、自分の成長につながっていきます。だから、子ども中心ではなく子どもも大人も同等。一緒に成長し、一緒に作り上げていく。みんなで、わくわくできる場として継続していけたらいいなと思っています。